アル中に陥った私が六甲山で先輩の車に嘔吐した話 その3

病院に着いたのは深夜の1時過ぎ。

到着予定は2時過ぎと聞いていた。

おそらく運転上手なA先輩が山を下ってから、高速道路に入ったのだろう。

六甲山から病院までの時間は 途方もなく一分一秒が長く感じた。

 

A先輩「着いたで つむぎこくん。もう大丈夫や」

号泣しながら肩を借りて 夜間・救急入り口の赤いランプのドアに入る。

 

症状は急性アルコール中毒

固形物ではない5回の嘔吐から、脱水症状も否めないので点滴を行った。済ませた後、まだ呼吸が荒いらしく小一時間安静にベッドで休んむつむぎこ。

 

意識が安定してきた頃に、耳を澄ますと 2人の先輩の話し声が聞こえる。

 

私にお酒を勧め、自分たちが状態を看ずにドライブに出かけたこと。

私の性格に鑑みて、何も気持ちを汲めなかったなど。

 

そんなことはない。ただ私が 先輩方を前に 一歩も踏み出せず、見も心も硬直していただけだ。

飲んだ後、帰りたかったならば さっさと帰るべきだったと。

体調が良くなってきたところで休み終わり、無事に家まで送っていただいた。

 

 

おわり