地獄から夢をみる1週間をお送りします その2

ミクさんとルカさんの魅力。

いつも色んな曲を聴いてはいるが、ゲームのなかで歌い、踊る様子だけで

キャラクター像を考えているのが当たり前の日々になっている。

 

でも、それは間違っていないはず。 歌って踊る2人にこそ魅力を感じたのだから。

 

私的にはミクさんは、なんだろう。

 

かわいい女の子というイメージしか湧かない。

 

健気だからこそ、いつも全力で歌っている。そんな気がする。

 

明るい歌から暗い歌、激しい歌、ネタに走っているような歌、思い出せば色々あるものだ。

 

次に、ルカさんは……お淑やかに感じる。

 

ミクさんと同様にゲームの曲しか知らないが、歌詞にあわせながら歌に感情を込めていると感じる。

 

クールな大人って感じだ。それは「癒し」ともいえる。

 

 

そういえば、モジュール(衣装)の着せ替えもゲーム内ならではの機能であった。

 

モジュールも何か研究につかえないだろうか。

 

よし、とりあえずはこんな感じでいいだろう。

 

 

 

「先生、これが私が考えるミクさんとルカさんの魅力です」

 

「うん、いいね」

 

手渡したメモを順に見ながら、つぶやいていく。

 

「ゲームの曲と、そのパフォーマンスに魅かれている。ということだね」

 

「そう、なります」

 

「一昨日に2人の画像を見せてもらったけれど、今日も何か持ってきているのかい?」

 

「あります」

 

たとえパソコンのデータが吹き飛ぼうと、画像だけはいつでも見られるように、

携帯にバックアップをとるルーチンは今まで忘れたことはない。

 

 

「2人の魅力を知るために、同時に踊っている画像が偶々ありました」

 

 

 

初音ミク Project DIVA Future Tone DX__2.jpeg

 

 

 

「ほう、手前のルカさんは表情がキリッと引き締まってるね」

 

「はい、きっとクールな女の子なのでしょう」

 

「ミクさんもいい表情だなぁ、2人の年齢とかわかってるの?」

 

「えっと、キャラクターをつくった企業があって、

 公式に発表した年齢やその他の設定がちゃんとありますよ」

 

「なるほどね、そこはしっかり調べておくように」

 

「は、はい! ……でも、インターネットからの検索になりますがいいですか?」

 

「あぁ構わないよ。 彼女たちはバーチャルシンガーなんだろ?

 インターネットを巡って活動しているならば、ネットの中にこそ情報が詰まってるんだよ」

 

「先生、よく調べてるんですね」

 

「時間がないから当たり前だろう!

 まぁともかく、いまは論文を書くための準備段階だから、材料集めは協力するよ」

 

「あ、ありがとうございます」

 

「でも、研究をもとに“論文”を書くのは、つむぎこくんだぞぉ」

 

「はい、がんばります」

 

まぁ至極当然だ。

 

「まずは材料集め。 そうだね、もうひとつ……2人の魅力を知るための鍵、

 何でもいいからヒントが得られるといいな」

 

「それは、実は一昨日から考えてて、衣装はどうかなって思ったんです」

 

「衣装?」

 

「はい、ゲーム内ではモジュールっていいます」

 

またまた画像フォルダを開き、

 

「その、昨日ちょっとだけゲームをしていたときに、

 同じ曲に対してボーカルとモジュール、それぞれ違う設定をして撮ってみました」

 

「うんうん」

 

 

 

初音ミク Project DIVA Future Tone DX__7.jpeg

 

 

 

初音ミク Project DIVA Future Tone DX__4.jpeg

 

 

 

「ほんとに一部分の画像ですけれど」

 

「うんうん」

 

「あ、あと2人の満面の笑みも、先生には特別に見せます」

 

 

初音ミク Project DIVA Future Tone DX__8.jpeg

 

 

 

初音ミク Project DIVA Future Tone DX__5.jpeg

 

 

「いいねぇ!」

 

「この画像をみてて思ったことが実はあって、

 その、衣装によって雰囲気も変わると感じました」

 

「おお、いいところに気付いたねぇ。もう一度言ってごらん?」

 

ゲームをしたことに対して、何も言われないのは配慮か、それとも……。

 

「え? 衣装によって、雰囲気も変わると感じて」

 

「それだ!」

 

なるほど。 わからない。

 

「いいかい? 衣装が彼女たちの魅力を知るうえで必要となる“鍵”かもしれない」

 

「鍵……ですか?」

 

「あぁ、でもそれを証明していくのは、僕じゃない。 つむぎこくんだ」

 

証明。 難しい言葉だ。 もっと簡単な表現に例えたら……。

 

「先生、証明するのに」

 

そのとき、先生は手のひらを広げ、待ったと言った。

 

「ここからはできるだけ、つむぎこくんが明かしていってほしい」

 

「あ、すみません」

 

「僕はね、放任主義ではないけれど、

 君のための研究に口出しするのは、あまり好きじゃないんだ」

 

でも期限が。

 

「魚を与えるのではなく、魚の釣り方を教えよ。 こんな言葉もある。

 期限が近いし、僕も最大限フォローはするよ。でもそこはわかってほしい」

 

こちからから言葉を発する機会が与えられないほどに、

ここから先 おこなう研究の意味を先生は熟知していた。

 

「わかりました。 いつもご指導ありがとうございます」

 

「はい、気をつけて帰るんだよ」

 

「はい、では失礼します」

 

午後20時12分。

 

外はマイナス7度。とっても寒い。

 

マジカルミライのブルーレイが今晩届くと思うし、今日はもう帰ろう。

 

でも今は観る時間なんてない、か。

 

 

 

 

1/17追記

以下モジュール

上から、初期モジュールのサクセサー、アバンガード

ミクさんはPIANO*GIRL、髪型はみずたまビキニ

ルカさんはロジカリスト、髪型はサクセサー